街の記憶を、香りに閉じこめた

自由が丘には、スイーツの甘い香り、ビル屋上で育つ蜜蜂が集めた花の蜜、そして街じゅうに植えられたバラの気配がある。その「街の空気」をパリの調香師と一緒に、一本のディフューザーに仕立てたのがHATAGOの新作「JIYUGAOKA」だ。企画の始まりから香りが決まるまでを、edit LIVING HOUSE./SEMPREのバイヤーに聞いた。

街を歩いて、嗅いで、言葉にする

編集部: HATAGOさんとはもともと二子玉川店でPOP UPをやっていますよね。今回は「自由が丘の香りをつくる」という全く違うプロジェクトだったと思うんですけど、どこから始まったんですか?

バイヤー: HATAGOさんは鎌倉の海街ごとに香りをつくっているブランドで、「土地の空気を言語化して、そこから調香する」というプロセスがすごくユニークなんです。それを自由が丘でもやれたらおもしろいんじゃないかって。

編集部: 言語化って、具体的にはどんなことをするんですか?

バイヤー: HATAGOの野口さんが実際に街を歩き回って、自由が丘のルーツや文化を掘り起こしてくださいました。スイーツの街であること、丘ばちプロジェクトで蜜蜂を屋上で育てていること、街なかにバラが植えられていること。女神まつりの歴史とか、モンマルトルとの関わりとか。そういうキーワードをひとつひとつ調香のインスピレーションとしてHATAGOの言語化と、実際に私たちも抱いているイメージなどを、一緒に練り上げて行きました。

HATAGOさんの土地のストーリーや空気感に紐づいたモノづくりが、素敵なんですよね。地元の鎌倉以外にも、最近は富士山の香りも、実際に登山して商品化されていたり・・・!

自由が丘の香りを作っていただく時も、歴史や街の空気感の深掘りが香りに反映されていて、お家でこの香りを嗅ぐと、散策したくなりそう(笑)

4つの試作から、1つの香りへ

編集部: キーワードを渡して、そこからどうやって香りになるんですか?

バイヤー: デュリエさんが4種類ぐらいの試作をつくってくれたんです。自由が丘の特徴って、甘さなんですよね。スイーツの街だし、蜜蜂が集める花の蜜もある。だから自然とグルマン系の甘さが軸になって、そこにローズが重なるものに決まっていきました。

編集部: えっ、グルマンとローズって意外な組み合わせですね。

バイヤー: そうなんですよ。グルマンっていうのは、キャラメルやナッツを思わせるようなお菓子のような甘さを感じる香り。自由が丘って、甘いものと花、両方ともある街じゃないですか。あと、いまの香りのトレンドも意識していて、フルーツを入れたり、少しスパイシーな香りのアニスのニュアンスがあったり。単調にならないように、レイヤーがしっかり重なっているのが特徴です。

編集部: 通常のディフューザーとは違う、という話も聞いたんですけど。どんなところに違いがありますか?

バイヤー: 濃度が全然違いますね。デュリエさんはもともと香水をメインに調香されてきた方なので、ディフューザーでも香りのレイヤーの重ね方が香水的なんです。だから最初に試したとき、ちょっと驚きました(笑)

お客さまが立ち止まる香り

編集部: 実際にオフィスでも使っているんですよね。

バイヤー: はい。会議室で使用していて、実際にご来客の方に「この香りは何ですか」って聞かれることが結構あるんです。リゾートホテルのような空間に、香りがしてくれるような。インテリアだけで空間って完成しないな、と改めて感じます。ディフューザーって、言葉になりにくいけど日頃から気になる存在になっている。

バイヤー: まさにそうで。自由が丘の街の空気を知っている人が嗅いだら、ああこの甘さとこの花の感じって思ってもらえるかもしれない。知らない人でも「なんかいい」から入ってもらえたら嬉しいです。他では出逢えないので、お家でも時間によって感じ方の変わる香りを楽しんでいただきたいです。


HATAGO(ハタゴ)

日本の地域文化を香りでデザインするフレグランスブランド。

ファウンダー:野口大介
香水クリエイター:渡辺裕太
調香師:ジャン=ミッシェル・デュリエ

公式サイト:hatago.shop
Instagram:@hatago_kamakura

HATAGO JIYUGAOKA


フレグランスディフューザー 200mL ¥13,200(税込)
香り:グルマン × ローズ(自由が丘の街の空気をモチーフに調香)

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